山田さん(32歳・営業職)の生活は、典型的な「食生活崩壊型」だった。朝はギリギリまで寝て朝食は抜き、昼は移動中に立ち食いそばかラーメン。夜は接待や同僚との飲み会が続き、締めのラーメンは当たり前。そんな生活を数年続けた結果、彼の髪は明らかに元気を失っていた。シャンプーのたびに指に絡む抜け毛が増え、上司からは「最近、疲れてるか?頭のてっぺん、薄くなったんじゃないか?」と心ない指摘を受ける始末。危機感を覚えた山田さんは、一念発起し、栄養士のカウンセリングを受けることにした。栄養士が指摘したのは、圧倒的なタンパク質とビタミン・ミネラルの不足、そして過剰な糖質と脂質だった。栄養士は山田さんの多忙なライフスタイルを考慮し、無理のない改善プランを提案した。まず、朝食を抜く習慣をやめ、コンビニで買えるプロテインドリンクとバナナを摂ることから始めた。これだけで、一日の始まりに最低限のタンパク質とエネルギーを確保できる。昼食は、定食屋を選び、必ず焼き魚や生姜焼き定食など、主菜がしっかりしたものを選ぶよう指導された。ご飯は半ライスにし、代わりに味噌汁や小鉢のほうれん草のおひたしなどを追加する。夜の飲み会では、最初のビール一杯の後はハイボールに切り替え、糖質をカット。おつまみは唐揚げやポテトフライではなく、枝豆、冷奴、焼き鳥(タレより塩)を選ぶよう心がけた。締めのラーメンは固く禁じられた。この生活を始めて三ヶ月。山田さんは体重が3キロ減り、体が軽くなったのを実感した。そして半年後、明らかに変化が訪れた。シャワー後の排水溝に溜まる抜け毛の量が激減し、髪をセットする際に、以前にはなかった根元の立ち上がりを感じるようになったのだ。食生活という土台を立て直すことで、髪だけでなく、仕事のパフォーマンスや日々の活力まで取り戻した山田さん。彼の事例は、栄養がいかに私たちの体に大きな影響を与えているかを物語っている。
多忙な営業マンの髪を救った栄養改善プロジェクト